コラム:姓と名字の違い
豊島氏と聞いてピンと来る人は、相当の歴史通だと思います。
でも豊島氏の痕跡は、都内には豊島区や豊島園(2020年閉園)といくつか残っています。
ただ地名の由来が豊島氏にあるのではなく、豊島郷を所領した平家の支流が豊島氏を名乗ったのが事実です。
姓と名字の違い
豊島氏は平家の支流と書きましたが、姓と名字の違いを簡単に説明しておきます。
姓とは古い時代では「かばね」と呼び役職名でした。
姓は天皇から授けられたもので、賜姓と言います。
源氏や平氏は天皇の子や孫が、臣籍降下して新たに「姓」を天皇から戴いたものです。
源氏や平氏の姓を名乗れるのはその一族の本宗家が多く、支流の一族は地盤としている土地の名称を名字として名乗っています。
鎌倉以降の将軍は源氏から出るのが通例ですが、「源」の姓を名乗っているのは鎌倉三代の将軍のみです。
徳川家康の正式な名は、徳川次郎三郎源朝臣家康(とくがわじろうさぶろうみなもとあそんいえやす)と言い「源」の姓が入っています。
当時の正式な文章のサインには、源家康と書かれたものも残っています。
豊島氏は関東の平氏一門である秩父氏の支流で、豊島郡に進出し在地の名を名乗っています。
ちなみに、現在の地名感覚だと豊島郡イコール豊島区と想像してしまいますが、その範囲は広く現在の千代田、中央、台東、文京、荒川、北、板橋、練馬、豊島、新宿区あたりすべてもしくは一部にまたがる地域を指します。
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